自閉症児かどうか、臨床医の診断方法は?【実例シリーズ】息子の場合もご紹介

2020年5月2日

大切なわが子が自閉症かどうかを診断してほしい!しかしダウン症などと違って見た目には分からないものです。自閉症かどうかは、どのように診断を下されるのでしょうか?

自閉症・自閉スペクトラム症(ASD)の診断

血液検査や脳波検査は?

脳波検査や血液検査は、特に子どもが小さい頃は、しないことが多いと思います。

信頼性の為に国際的な基準が設けられている

自閉症・自閉スペクトラム症の診断基準は、厳密には2つの国際的な操作的診断基準が設けられています。

実際は、問診と観察から診断する

その子が自閉症・自閉スペクトラム症かどうかは、専門医による「問診」と「その子を観察」することで診断されます

お茶の水女子大学大学院の教授であり、NHKのすくすく子育てやハートネットTVの解説でもおなじみの榊原医師も、その子が自閉症かどうかは、その子の様子で分かるとおっしゃっています。

榊原洋一教授
榊原洋一教授 画像はNHKより

私たち臨床の医師は,(中略)
診察室に入るときの行動,表情,知らない他人(つまり私たち)に会ったときの子どもの視線や表情,そしてこちらからの働きかけ(名前を呼ぶ,年齢を聞く,簡単な質問をするなど)に対する子どもの視線の動きや表情,体の動きなどから診断を行っているのである。

日本音響学会誌63巻7号〔2007)Pp.365-369 「特集―小特集言語障害を通して再考する音声語情報処理― 自閉症児の言葉」p.368

専門の臨床医は、操作的診断基準と照らし合わせて診断を行うというより、経験からその子の視線表情やりとり判断しているのですね。

私たちは前述の診断基準に当てはめながら確定診断を行うのだろうか。私を含めて大部分の自閉症を診る医師は,診断基準を使って診断することは少ない。診断基準はむしろ後から診断を確認したり,あるいは報告書に記載するときの証拠として利用することが多いのである。

日本音響学会誌63巻7号〔2007)Pp.365-369 「特集―小特集言語障害を通して再考する音声語情報処理― 自閉症児の言葉」p.367

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息子の場合

2歳3ヶ月、はじめて【発達外来】に予約

発達外来に予約をしようと決意した時のことについては、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

発達外来【受診の内容】

問診票の記入

大学病院の総合受付後、小児科・発達外来の受付へ。そこで発達につての問診票を渡され、待合スペースで記入しました。問診票はよくある発達チェックの内容で、チェックしたり、気になる点を記載していきます。

手元にその問診票はありませんが、参考までに、有名なM-CHATという「子供を対象とした自閉スペクトラム症のリスク評価アンケート」内容について、後日別ページでご説明しますね。

話しを戻しまして。その後、順番が来るまで待合スペースで待ちました。その時の様子はこちら。

大学病院小児科のキッズスペースでの様子

息子は当時多動もあり、キッズスペースでは楽しそうに過ごせていましたが、別の科の方までウロウロしてしまう時間も長く大変でした。

しかし、発達外来に来ているという大義名分(笑?)もあり、一般的な場所にいるときよりも、気持ちは楽な感じで面倒を見られました。

息子の観察

そして診察室へ呼ばれます。

発達の遅れのある2歳時ですので、息子に対しては難しいテストなどは出来ません。

なので、診察内容は、お医者さんと簡単にやり取りをしたり、親から聞き取りをしている間の息子の様子を観察する程度です。

多動もあり診察室のドアを開けすぐ出ていこうとするので、診察中は看護師さんなどが何とか相手をしてくださいました。

親への聞き取り

親に対しては、発達についての問診票をもとに行う聞き取りです。

あわせて私は、上記の待合室(キッズスペース)での動画も含め、日常生活で息子の気になる様子の動画を見てもらいました。

その後、その場で診断を告げてもらいました。その内容は長くなるので、まずは下記の参考情報を2つご説明します。

【参考1】病院サイトの診察内容

対象

  • 12歳までのこども
  • 精神神経疾患全般に対する診断・治療
    • 発達障害
    • 注意欠陥多動性障害
    • 統合失調症などの精神病性障害
    • つ病・躁うつ病などの気分障害
    • 不安障害
    • 摂食障害など

診察方法(思春期のお子さん枠)

  • 各種類の質問紙による症状評価
  • 構造化面接
  • 頭部CT・MRI(画像検査)
  • SPECT(脳血流検査)
  • 脳波
  • 神経心理検査など

診察方法は、”思春期のお子さんに対する外来診察での取り組み” の枠のみの記載でした。

なので2歳の息子に対しては、診察内容の上2つでの診断結果となります。

【参考2】診察してくれたお医者さん

息子を診断してくださったのは、発達外来の診療部部長で、教授の先生でした。

その先生の専門分野は、一般精神医療、認知行動療法、精神神経薬理。認定医としては、精神保健指定医、精神保健判定医、日本精神神経学会精神科専門医・専門研修指導医という情報でした。

診断結果

お医者さんからの診断は、その場で言ってもらえました

結果は「まだ3歳前なので確定はできませんが、何らかの【発達障害と言えるでしょう。」というものでした。

発達障害と自閉スペクトラム症の違いは下記ページに分かりやすく説明していきますので、そちらをご覧ください。

先生はこちらからの質問にも丁寧に答えてくださいました。そして、アドバイスは、下記のようなものでした。

  • 既に親子教室に通っていたので、今はそのようなサポート、つまり療育を続ける程度でいいでしょう
  • 後にてんかんなど発症する子もいるので、頭の片隅に覚えておいてください

その時には保育園には退園していたため、特に書類も必要なかったので診断書などはもらわず、口頭での診断のみで終了しました。

次回診察は

希望すれば、また診てくださるとのことでした。

私はその受診で納得でき、質問も解消していため、次回予約はしませんでした

お医者さんも、病院が行う治療はなく、療育は基本的に地元の支援センターがメインになるため、相談がある時にはまた来てくださいねという感じでした。

診断から一ヶ月後:てんかん発作

上記診断から一ヶ月後のことです。息子は初めて【てんかん発作】を起こしました。大発作というカクカクした発作の後、意識を失いチアノーゼも出現しました。救急車で近くの三次救急の病院へ搬送してもらいました。

発達外来の診療部の先生から言われていたばかりだったので、その的中に驚きでした。

結果、息子は【難治性てんかん】だったのですが、詳しくはまた後日記載します。

ちなみに自閉症・自閉スペクトラム症の子が全員【てんかん】を発症するわけではないので、ご不安になってしまった方は安心してくださいね。

自閉症児に脳波検査を行う医師は多いが,それは脳波所見が自閉症の診断に必要だからではなく,自閉症児の15%前後がてんかんを合併し,過半数でてんかん性の脳波異常が見出されるからに過ぎない。脳波から自閉症の診断はできないのである。

日本音響学会誌63巻7号〔2007)P365−369 「特集―小特集言語障害を通して再考する音声言語情報処理― 自閉症児の言葉」P367
https://doi.org/10.20697/jasj.63.7_365

まとめ

今回は小さい子どもの自閉症・自閉スペクトラム症の診断はどのようにされるのかを、息子の実例も併せて記載しました。

上記にも書いたように思春期の子どもではまた様子が違うかもしれません。

しかし基本的には、操作的診断基準を背景に、専門医が様子を見て診断をするというイメージです。

自閉症・自閉スペクトラム症(ASD)も早期発見・早期療育できるに越したことはありません。発達の専門病院や外来は、予約制かつ予約もすぐに埋まってしまいます。もしお子さんの発達で不安を感じている方がいらっしゃたら、早めに行動してみてはいかがでしょうか。

でも専門家と話して共感してもらえたり、専門家の目からわが子がどう映るのかも大切なので、余力が出来たらぜひ専門外来への予約をしてみてください。

読んで下さってありがとうございました!