【個別の教育支援計画】とは?【個別の指導計画】との違いは?

2021年8月24日

個別の教育支援計画と個別の指導計画の内容、違いは

障害児は成長するにつれ、関わる機関や先生も変わっていくものですが、小さい頃から高校卒業後まで、一貫した・的確な教育的支援を受けられるシステムがあります。

それが個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の作成と活用です。

国は世界的な流れであるインクルーシブ教育システムを推進していますが、そのシステム構築のカギとなる特別支援教育を充実するための一環として定められている制度です。

内容

個別の教育支援計画とは?

「個別の教育支援計画」には、下記のような内容が書かれています。

  • 子どものプロフィール(成育歴や家族構成も)
  • 子どもの様子(行動面、社会性、学習面など)
  • 本人・保護者のねがい
  • 支援を行っている医療機関や療育機関の情報(住所、担当医、担任名なども)
  • 支援目標
  • 支援内容(教育、医療、福祉等の関係機関による具体的な支援方法)
  • 評価

個別の教育支援計画に記載される内容(例)
・ B さんが、どんな環境で育ってきたのか(困難さの気付きの時期、これまでの支援内容など)
・ B さんは、何が得意で何が好きなのか
・ B さんや B さんの保護者は、将来に向けてどんな願いをもっているのか など

文部科学省「(3)個別の教育支援計画と個別の指導計画
文部科学省資料の個別の教育支援計画例
特別支援学校 小学部の例 画像は文部科学省提出資料の平成18年の計画例より

対象児は?

乳幼児期~高校生までの特別支援教育が必要と考えられる子です。

「個別の教育支援計画」は、在籍が特別支援学校の場合だけでなく、地域校の支援学級や、学区の普通学級で通級指導教室に通う子などの場合でも作成されます。

未就学児についても、療育を受ける児童発達支援施設に通う子だけでなく、幼稚園や保育所等に通う子も作成されます。

勝手に作成される?

「個別の教育支援計画」の作成には保護者の意見やそれに沿った支援も必要なので、勝手に作成されることはありません

誰が作成するの?

一番最初に作成するのは?

市区町村に発達のこと相談し、はじめてどこかに通うことになると、そこの先生方(担任や児童発達支援管理責任者、特別支援教育コーディネーターなど)が最初に作成するようになります。

何歳までに作成する、などは決められていないので、小学校以降でもはじめて作成されることもあります。

その後は?

半年程度で評価・見直され、1年間で翌年度の先生へ引き継がれていきますので、その後はライフステージに応じて接している先生方が中心に、作成、更新、引継ぎを行います。

更新時には常に見直しも

個別の教育支援計画は定期的に更新されていきますが、必ず評価と改善をしながら行います。

指導や支援の実践に際しては、計画(Plan)-実践(Do)-評価(Check)-改善(Action)の PDCA サイクルによる見直しを行いながら、適切な指導や必要な支援を進めていくことが大切になります。

文部科学省「(3)個別の教育支援計画と個別の指導計画」

関係機関も関わって作成する

個別の教育支援計画は、通っている場所の先生方だけでなく、保護者をはじめ、心理士や理学・作業・言語療法士などの医療関係者や、児童発達支援施設・特別支援学校の専門的な知識を持つ先生、放課後等デイサービスなどの福祉関係者などの意見も連携して作成されるのが理想です。

特別な支援を必要とする児童・生徒への支援は、学校だけで行えるものではありません。そのため、保護者の理解と協力を求めることが不可欠です。

東京都教育委員会「これからの個別の教育支援計画」平成26年3月

個別の教育支援計画は,障害のある児童生徒を生涯にわたって支援する視点から,一人一人のニーズを把握して,教育,医療,福祉等の関係機関の関係者,保護者の連携による適切な教育的支援を効果的に行うため策定します。

独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所「第1章 特別支援教育コーディネーターとは」

その後「個別の指導計画」も作成される

個別の指導計画とは?

「個別の教育支援計画」が作成されると、この他に「個別の指導計画」も作成されます。

「個別の教育支援計画」との違いは?

「個別の教育支援計画」 は、発達のつまづきの気付きから保護者が望んでいるその子のビジョンまでを関連する人々が見て支援の参考にする計画表ですが、「個別の指導計画」は、幼稚園や学校での教育課程での支援方法まで落とし込んだ、その子の指導にあたる先生方の指標のとなる計画表です。例えば各科目に、領域等ごとにどのような指導をするかを具体的に記載しています。

学区の普通学級に在籍して通級指導教室/特別支援教室に通う子は指導する先生も違うので、その先生間での共有も大切になります。

山口県の個別の指導計画(小学校)
小学校での例 画像は山口県  特別支援教育推進室 より
山口県の個別の指導計画
幼稚園での例  画像は山口県  特別支援教育推進室 より

個別の指導計画に記載される内容(例)
B さんの生活上、学習上の課題、指導目標及び指導計画(年間、学期、単元)、指導内容、指導方法、在籍学級において必要な支援、取り組んだ結果、何ができたのか、何ができなかったのか、今後の課題などが記載されています。

文部科学省「(3)個別の教育支援計画と個別の指導計画」

児童発達支援の「個別支援計画」

幼稚園や学校とは別に児童発達支援施設や放課後等デイサービスなどに通う場合、「個別の教育支援計画」とは別にそれぞれの施設が「個別支援計画」というものも作成してくれます。

保護者の意向を踏まえて定期的に更新するなどは同様です。

幼稚園や学校にも情報共有することがオススメです。

まとめ

今回は毎日通う幼稚園や学校で作成される個別の教育支援計画や個別の指導計画について見てきました。

息子も年中さんから市区町村が運営する児童発達支援センターに通い、特別支援学校へ進学しましたが、定期的に面談、個別の支援計画作成にあたっての保護者の願い提出や先生方が作成してくださった内容の確認・承認等を常に行ってきました。

センター、学校とは別で通っている児童発達支援の施設毎でも、同じようなことを行います。

両者とも更新時にどこまで出来たか評価も必ず書いてくれます。内容はとても細かく具体的なものなので、親としてもとても参考になるとともに、先生は全員分考え作成するのでとても大変だろうなと思っています。

このような書類を作成し、適切な支援を行ってくださる全ての先生方に感謝です。

今回はこの辺で。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!