正しい褒め方|誤った褒め方

2022年6月15日

正しい褒め方

子どもの自尊感情を育てようシリーズの参考資料として。正しい褒め方、誤った褒め方についてのまとめです。最初に誤った褒め方から。

誤った褒め方

「能力」や「資質」を褒めることは、誤った褒め方になってしまいます。

能力や資質を褒められると

たくさん褒められている子でも、能力や資質を褒められた子は、自分には才能があると感じます。

そして、常にその才能を証明するような行動になっていきます。

そうすると、失敗しそうなチャレンジを恐れるようになります。

失敗した時は「そこまで才能がなかったから仕方がない」と努力する意欲を失ってしまいます。

その結果、努力量が不足し、結果はあるべき姿よりも後退していきます

すると悪循環に陥ることは明白です。

褒めない事より悪い事態にも

コロンビア大学、ハーバード大学、イリノイ大学、スタンフォード大学で教鞭をとったアメリカで著名なキャロル・ドウェック(Carol S. Dweck)教授の小学5年生対象の研究結果では、能力や資質を褒めた子のグループのテスト結果が、フィードバックのみ(褒めていない)のグループよりも、テストの結果が悪くなっていったと報告されています。

キャロル・ドウェック教授
画像はAPSより

参考:Journal of Personality and Social Psychology, Vol. 75, No. 1, 33-52 “Praise for Intelligence Can Undermine Children’sMotivation and Performance" Claudia M. Mueller and Carol S. Dweck. Columbia University

このような研究結果は他にも多くなされています。

TK_ミューラー教授らの実験設計
東洋経済オンライン『「子どもは褒めて育てる」を実践する人の誤解』慶應義塾大学 中室牧子教授 2019.05.12

正しい褒め方

「過程」をほめる

子どもと思春期の子の心理学をご専門としているダーシー・ライネス(D’Arcy Lyness)博士は、子どもの自尊感情を育むためには、子どもの努力や進歩、態度、つまり過程を褒めるべきであると述べています。

ダーシー・ライネス博士
画像はKidsHealthより

Praise effort. Avoid focusing praise only on results (such as getting an A) or fixed qualities (such as being smart or athletic). Instead, offer most of your praise for effort, progress, and attitude.

KidsHealth “Your Child’s Self-Esteem" D’Arcy Lyness, PhD
↑ 和訳概要

努力をたたえます。結果(Aを取得するなど)や固定された資質(賢い、または運動能力があるなど)だけに賞賛を集中することは避けてください。代わりに、努力、進歩、態度に対する賞賛のほとんどを提供してください。

努力や態度を褒められると

努力や態度を褒められている子は、努力が大切であることを学びます。

失敗した時は「頑張りがまだ足りなかった」と成功のためにはより努力が必要と奮起、つまり失敗から前進することができます。

するとリスクのある挑戦にもチャレンジできるようになります。

ライネス博士も、正しい褒め方をされている子どもたちは「物事に努力を払い、目標に向かって努力し、そして挑戦する。子供がそうするとき、彼らは成功する可能性が高くなります。」と述べています。

With this kind of praise, kids put effort into things, work toward goals, and try. When kids do that, they’re more likely to succeed.

D’Arcy Lyness

具体例

ライネス博士は、下記のような具体的な褒め方を紹介しています。

  • 「あなたはそれを一生懸命取り組んでいるのね」
  • 「この科目の成績、どんどん良くなってきているね」
  • 「行き詰ってしまっているけれど、ピアノを練習していることを誇りに思っているよ」

褒め方の比較

具体例

  • 幼児期:幼児教室で、絵本を読む間、きちんと椅子に座って聞いていられたとき
    • ×:「最後まで座っていられたね。あなたはちゃんとできるいい子ねー。」
    • △:当然のことと思い(笑顔を向ける程度で)何も言わない
    • 〇:「座るの頑張ったね。お母さん安心したよ。」
  • 学童期:テストで100点を取れたとき
    • ×:「すごいね!あなたは頭がいいねー!」
    • △:褒め言葉に該当する言葉はなし
    • 〇:「すごいね!たくさん頑張ったんだね!」

解説:◯と×の違い

一見同じように見えますが、褒めている対象が違います。

  • 努力態度を褒めている
  • ×…その子の能力資質を褒めている

解説:△と×の違い

能力や資質を褒めることは、褒めない事よりも悪影響です。

さいごに

正しい褒め方と誤った褒め方について見てきました。誤った褒め方は、褒めない事よりもよくないことに衝撃を受けました。

自尊感情を高める接し方は、下記ページに他にもまとめています。どなたかのご参考になれば幸いです。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!