ベストなしつけとは?厳しすぎ?甘やかしすぎ?

2020年7月21日

ベストなしつけとは?

【しつけ】に厳しさは必要ないと、専門家たちは述べています。

しかし、それだととんでもない子になってしまうのではないか、と不安になります。基準も分かりません。

そこで今回は、どんな家族にとっても【しつけ】の核が見付けられるように、児童発達の専門家のご意見をまとめてみました。

みなさんの【しつけ】に関する日々の「迷い」のご参考になれば幸いです。

【しつけ】とは?

50年以上、子どもの発達についての活動をされ、自閉症の支援プログラムTEACCHを米国から日本に紹介もした佐々木正美教授は、【しつけ】は「子ども自身が自分で納得して行動できるようにしてあげることと述べています。参考:新紀元社出版『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に―信頼されて子どもは育つ 』佐々木正美(2003)

佐々木正美教授
佐々木正美氏。川崎医療福祉大学、ノースカロライナ大学医学部精神科の教授。

私としては「自分で納得して~」という部分に焦りを感じました。

いつも私が【しつけ】と思っている行動は、親である私の命令的な指示に従ってるに過ぎないかもと思ったからです。

POINT

【しつけ】とは、親の命令に従わせることではない。

子どもが「自分で納得して行動できるようにしてあげることである。

【厳しさ】は必要ない

【しつけ】と【厳しさ】

さらに先述の佐々木教授は、【しつけ】は【厳しく強制すればできるようになるものではないとしています。

しつけ=厳しさというイメージもあったのですが、そうではないのですね。

茨城キリスト教大学で、発達心理学や保育臨床学をご専門としている中島美那子教授も幼児期の子育てに【厳しさは必要ないと述べています。

POINT

【厳しく】強制すれば【しつけ】られるものではなく、【厳しさ】は必要ない。

【しつけ】は【根気】

佐々木教授は、しつけには【根気必要としています。

「〇〇をしてはいけない理由」を、穏やかな言葉繰り返し、それを子どもが理解できるまで続けることが本来の【しつけ】なのです。

なぜそれをしてはいけないのか,なぜ我慢しなくてはいけないのかということを,穏やかな言葉でくり返し伝え,子どもが理解できるまで待ってあげることこそが本来のしつけであり,幼児期の子育てに厳しさは必要ないのである

茨城キリスト教大学紀要第45号 人文科学Pp.119-129「母親の自尊感情と養育態度― 子どもの自尊感情を育むために ―」加藤悠・中島美那子 p.127
POINT

【しつけ】は【根気】をもって、穏やかに、繰り返し【伝え続ける】ことである。

【厳しくされた】子はどうなる?

では、厳しい誤った【しつけ】をされた子どもは、どのようになってしまうのでしょうか?

個人的には「いつも親の顔色をみて行動するようになり自主性がなくなる」「親にバレないように悪さをするようになる」というイメージはありますが。

自尊感情が育たない

東京大学の教育学・育児学をご専門としている汐見稔幸教授は、厳しく育てられると、子どもの行動の動機が「叱られたくないからやらないという思いが強くなり、その子の本当の感情を表す動機が薄れると指摘しています。

汐見稔幸教授
画像はFCAより

そうなると、子どもの「自分の感情を理解・表現・コントロールする力」が育まれず、正しく自尊感情が育たないのは明らかですよね。

POINT

【厳しくされた】子は、「叱られたくないからやらない」と思うようになり、自尊感情が育まれない

自尊感情は、その子の人生を左右する重要なファクターです。自尊感情については、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

噓つきになる

子育てとしつけの専門であり「メンタルが強い親がやめた13の習慣」の著書であり、米ノースイースタン大学のエイミー・モーリン(Amy Morin)心理士は、厳しい規律が子どもを【嘘つきに変えることは研究によって明らかだと述べています。

Amy-Morin氏
画像はLCSWより

While it’s normal for kids to stretch the truth sometimes, research is clear that harsh discipline turns kids into good liars. If you’re too strict, your child is likely to lie in an effort to avoid punishment.

verywell family “How to Know If You Are an Overly Strict Parent" より引用
↑ 和訳概要

子供は事実を誇張することは時々ありますが、過酷な規律が子供たちを嘘つきに変えることは研究によって明らかです。厳しすぎると子供は罰を避けるために嘘をつく可能性があります。

【厳しさ】は親が楽になるだけであって、むしろ悪影響であることが分かりますね。

【甘やかす】との【違い】は?

佐々木教授は、親は子どもを【甘やかしているくらいがちょうどいい。子どもに手をかけ、心をかけると甘やかしているように見えるかもしれないが、子どもがいつでも願い助け求められる親子関係を築いておくことが大事、と述べています。

【甘やかす】なんて心配!

  • ◆ここで質問!◆
    • 子どもの言うことばかり聞いてしまっていいの!?
    • 甘えさせてばかりでは、わがままな子にならない!?

佐々木教授は、小学生のお母さんからのこのような質問に対して、どのようにお答えになったのでしょうか?

大丈夫。わがままな子どもには決してなりません。むしろ、幼少期にいうことをきいてあげ、たっぷり甘えさせてあげた子どもほど、早く自立して、大きくなっても親に心配をかけない人間に育ちます。その反対に、しっかり甘えられなかった子どもほど、いつまでも手がかかります。

小学館hugkum「【今も心に響く佐々木正美さんの教え】子どもが自立するには「甘え子育て」が必要です」2018.10.28
  • ◇先生の回答!◇
    • わがままな子どもには、決してならない
    • 幼少期にいうことをきいてあげ、たっぷり甘えさせてあげた子どもほど、早く自立する
    • そのような子は、大きくなっても親に心配をかけない人間に育つ
    • しっかり甘えられなかった子どもほど、いつまでも手がかかる

【甘やかす】と自立も早くなる

しかし、自立まで早くなる理由は、どういうものなでしょうか?

佐々木教授は、子どもがお母さんや周囲の大人達に「甘え」や「わがまま」を受け入れてもらうことで子どもは自分に自信をもてるようになり、それが自立を促す力になる、と述べています。

甘えは依存、わがままは反抗です。幼少期に依存と反抗を受け入れられる経験があればあるほど、早く自立して、思いやりのある人間に育ちます。その一方、子ども時代にそういう受け入れ経験がないと、自立するのが難しくなって、人に要求ばかりする人間になります。

小学館hugkum「【今も心に響く佐々木正美さんの教え】子どもが自立するには「甘え子育て」が必要です」2018.10.28

クロアチアで著名なゾラ・ラボテック-サリック(Zora Raboteg-Saric)教授も、自尊感情に大切な「子供が自分は大事にされている、尊重されているという感覚」は、親からの無条件の愛によって養われると述べています。

Zora Raboteg-Saric教授
画像はResearchGateより

Unconditional love from parents helps a child develop a stable sense of being cared for and respected. These feelings translate into later effects on self-esteem as the child grows older.

Wikipedia Self-esteem より引用
↑ 和訳概要

親からの無条件の愛は、大事にされている、尊重されているという子どもの安定した感覚を養うのに役立ちます。 これらの感情は、子供が年をとるにつれて、自尊心について後の影響に変換されます。

POINT

たっぷり【甘やかしてあげる】ことで、子どもがいつでも願い【助けを求められる親子関係が築かれる。

それにより、小さいうちから正しい自尊感情が育まれ自立が早くなる

具体的な【対応方法】(しゃべれる年齢の子向け)

佐々木教授は、子どもの意見を聞くことが重要と述べています。

例えば「おもちゃが欲しい~!3つ欲しい~!!」とぐずる子どもに対しての対応例です。

  • なぜ3つ欲しいのか、を聞く
  • 子ども自身の意見考えを言える環境を作る
  • その意見を聞いたうえで、「無理」な場合
    • 「無理」という結論を一緒導きだしてあげる
    • その際、子どもたちには、明確な基準を示す
    • いつも一貫した態度をとる
    • 時と場合で揺らいでしまうと、子どもはぐずり続ければ親の意見を変えられる」と学習してしまう!!
  • 親を納得させるような内容・買わない理由が「わがままな子になってしまわないか」という親の不安なだけの場合
    • (これまで述べてきたの理由から)買ってあげて大丈夫

ぐずる子どもに対して即答で「だめ!」切り捨ててはいけません

根気よく説明して、考えることを教えてあげることが【しつけ】なのです。

まとめ

幼児期の子どものしつけは、厳しすぎず甘やかしすぎるくらいがちょうどいいのですね。

私は健康面のことや人の迷惑になる部分は積極的にはなれませんが、「構って」「抱っこ」「もう一回」「まだ」というような部分は積極的に甘やかしてあげたいなと思いました。

また適切なしつけは、子どもの自尊感情を育むことが分かりましたね。

少しおおきくなってしまったお子さんのしつけには「子どもの自尊感情を育てようシリーズ」の情報も参考になさってください。

今回はこの辺で。読んで下さってありがとうございました!