子どもの【言語発達】を伸ばしたい!大人がしてあげられる重要な【1つ】のこと

2020年10月17日

子どもの言語発達を伸ばすためにしてあげられる重要なこと

子どもの言葉の能力を出来るだけ刺激してあげたいと思ったとき、または、大切なわが子の言葉が遅くて心配になったとき、その子にどうしてあげることがよいのでしょうか?

今回は、子どもの【言語発達】を伸ばしてあげたい時に、周りの大人がその子にしてあげられる、簡単で重要な【1つ】のことについてお伝えします。

どうやったら【言語発達】を伸ばしてあれられるの?

子どもの【言語発達】は、その子のする【指さし】の長さと密接な関係があることは、下記ページでも説明しました。

実は、共同注意を共有する際に、周りの大人がその子の【言語発達】を伸ばしてあげる手助けができるのです。

POINT

子どもの【言語発達】を伸ばすために、大人がしてあげられる重要なことは、共同注意を共有する際の心がけ

専門家の研究と共に、具体的な内容を見ていきましょう。

母親が費やした【時間】と【程度】に左右される

複数の大学の心理学教授であるマイケル・トマセロ(Michael Tomasello教授は、世界的に最も権威のある発達心理学者の一人です。

マイケル・トマセロ教授
画像はPNASより

世界トップクラスの学術研究機関であるマックス・プランク進化人類学研究所の所長でもあるトマセロ教授は、特に幼児期の言語獲得をご専門とされる言語学者でもあり、複数の分野の専門家として認められている世界でも数少ない科学者の一人です。

そんなトマセロ教授らは、乳児の非言語的コミュニケーションや、幼児の言語コミュニケーションのスキルが、子どもと母親(以下、養育者を含む)が共同注意(指さしが代表される)を共有している際の母親に左右されることを明らかにしています。ポイントは下記です。

ポイント

大切なのは、母親が共同意に費やした時間と、その際の言葉掛けの程度

It was found that two measures–the amount of time infants spent in joint engagement with their mothers and the degree to which mothers used language that followed into their infant’s focus of attention–predicted infants’ earliest skills of gestural and linguistic communication.

Monogr Soc Res Child Dev. (1998) 63(4):i-vi, 1-143. “Social cognition, joint attention, and communicative competence from 9 to 15 months of age" M Carpenter, K Nagell, M Tomasello
↑ 和訳概要

乳児のジェスチャーおよび言語コミュニケーションの初期のスキルは、2つのことから予測できることがわかった。乳児が母親と対象物に向ける二人の注意が持続する(joint engagement:共同注意)ことに費やした時間と、母親が乳児の注意の焦点に続く言語を使用した程度である。

母親をはじめとする養育者が、早期から、より一緒にその環境を共有し、その際に言葉掛けをしてあげることが子どもの言語発達に大切なことが分かりますね。

母親の【言葉掛け】と【環境】に関連

イギリスの大学で発達心理学をご専門とされているジョン・オーツ(John Oates)教授も、子どもの言語発達は、母親の言葉掛けその環境密接に関連していると述べています。

ジョンオーツ教授
画像はThe Open Universityより

研究により、なんと母親の言葉掛けの78%は子どもが焦点を合わせているものに一致していると報告しています。そして、言語発達に遅れのある子どもに関しては、そのパーセンテージは50%だけでした。

For children with typically developing language skills, there is a close match between maternal speech and their environment

Wikipedia Joint attention
↑ 和訳概要

一般的に言語スキルを発達させている子供にとって、母親のスピーチと彼らの環境の間には密接な一致があります

共同注意が共有されている際に、言葉掛けをすることがいかに有効であるかが分かります。

【共同注意】の役割が大きい

心理言語学をご専門とされている、カナダ・カールトン大学の廣谷昌子准教授も、脳波検査の事象関連電位を測定する方法を用いた研究で、共同注意は乳児が新しい単語を学ぶのを助けると結論付けています。

This study investigated the role of joint attention in infants’ word learning.  […] Thus, social cues have an impact on how words are learned and represented in a child’s mental lexicon.

Developmental Neuroscience. 20 (6): 600–605.  “Joint attention helps infants learn new words: event-related potential evidence“. Hirotani, Masako; Stets, Manuela; Striano, Tricia; Friederici, Angela D. (2009)
↑ 和訳概要

この研究では、乳児の単語学習における共同注意の役割を調査しました。[…] したがって、社会的手がかり(共同注意)は、単語が子供のメンタルレキシコン(個人の脳内に記憶された語に関する知識の総体/語彙)でどのように学習され表現されるかに影響を及ぼします。

前言語期からの【大人の関り】が大切

多くの先行研究から、共同注意自体は生後間もなくから準備段階が始まり、何かを伝えその情報を共有しようとする叙述の【指さし】は、早い子では言葉が喋れない9ヶ月から出始めることが明らかになっています。

つまり子どもの言語発達には、話しはじめる前の時期(前言語期)からの、母親(養育者)の言葉掛けが大切なことが分かります。

Infants are more likely to engage in joint attention when the parent talks about an object that the child is attending to as opposed to an object outside of the infant’s attention.

Wikipedia Joint attention
↑ 和訳概要

乳児は、乳児の注意の外にある物体ではなく、子供が注意を向けている物体について親が話すときに共同注意を行う可能性が高くなります。

言語発達において、前言語期が大切なことは下記ページでも説明していますが、ここでも同じ情報が得られました。

まとめ

今回は、子どもの【言語発達】を促すためには、周りの大人がなるべく共同注意時間を費やし、その際に言葉掛けをしてげることが重要なことが分かりました。

1歳半前後での言語発達に不安がある方は、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!