自尊感情【高すぎ】てもいけないの!?【子どもの自尊感情を育てようシリーズ⑥】

2020年7月25日

自尊感情、高すぎてもよくないという事実をご存知ですか!?

親は少しでも子どもの自尊感情を高めてあげたいと必死に子育てしているのに!

自尊感情については驚かされることが多いですが、このテーマもその内の一つです。

今回は自尊感情を高めすぎてもいけない、自尊感情が高ければ人生間違わないというものではない、ことについて解説していきます。

自尊感情が高いと【全て上手くいく】?

自尊感情が低いことと問題行動や犯罪との関連が先行研究で言われています。では自尊感情が高ければ、間違いを犯すことなく、人生全てうまくいくのでしょうか?

成功者の多くは、自尊感情が高い可能性は大きいと容易に想像できると思います。

しかし、自尊感情が高い人が成功の道を歩めるかは、決してイコールではありません

POINT

自尊感情が高い人 = 成功の道を歩める ではない

一例を挙げてみます。ナチス・ドイツを率いていたヒトラーAdolf Hitler)は非常に高い自尊感情を持っていました。そして同じ考えを持つ人々にも自尊心を与えるスピーチや政策を行い、彼らを熱狂的な信者にしました。

アドルフ・ヒトラー

その後、ナチス政権下の人々は、障害者やユダヤ人を迫害するなど倫理観とはかけ離れた行動をしています。

ヒトラー本人もそれらの行動は批判されるものであることは十分に認識しており、障害者の迫害は秘密裏に行っていました。詳しくは下記ページで説明していますので、是非あわせてご覧ください。

Hitler had very high self-esteem and plenty of initiative, too, but those were hardly guarantees of ethical behavior.

SAGE Journals “Does High Self-Esteem Cause Better Performance, Interpersonal Success, Happiness, or Healthier Lifestyles?" Roy F. Baumeister, Jennifer D. Campbell, Joachim I. Krueger, Kathleen D. Vohs (2003)
↑ 和訳概要

ヒトラーは非常に高い自尊心があり、たくさんのイニシアチブ(主導権)もありました。しかし、それらは倫理的行動の保証はほとんどありませんでした。

POINT

自尊感情が高い人であれば、人生間違わずに成功できるというものでもない

(ヒトラーはあくまでも一例であり、自尊心が高すぎると非倫理的な行動を起こしてしまう、ということでもありません。)

自尊感情を高め【すぎるとよくない】?

子どもの自尊感情をむやみに高めようとだけすることには、褒める過ぎることと同様に問題があります。自尊感情が高すぎても、人間関係に支障をきたすのです。

白川由梨氏によると

文部科学省の白川由梨氏も、自尊感情が高すぎる際の影響について、下記のように述べています。

研究振興局参事官(情報担当)付専門官(併)企画係長 白川由梨氏 画像は文部科学省より

自尊感情は高ければ高いほど良いというものではない。自尊感情があまりに高すぎると、集団生活を送る中で人間関係に支障をきたしたり、向上心を欠いたりというようなマイナスの影響が現れる可能性が考えられる。

ベネッセ教育総合研究所「学校環境、親子関係が子どもの自己否定感に与える影響― 学力階層との関係に着目して ―」白川 由梨(東京大学教育学部)

何ごとも【バランス】が大切

自尊感情についても適度なバランスが必要なのです。

マクロード氏によると

イギリス国立大学マンチェスター大学、神経科学&実験心理学部門の心理学教育助手であるサウル・マクロード(Saul Mcleod)氏は、自尊感情(Self Esteem)の最適なレベルは連続体の真ん中にあると述べています。

自尊感情の曲線モデル

自尊感情が高すぎる場合と低すぎる場合の両方が、感情的・社会的に有害である可能性があることに注意することが重要と指摘しています。

まとめ

自尊感情は高ければ高いほどいい、とうものではないということが分かりましたねー。

大切なことは、やみくもに自尊感情を高めようとするのではなく、自己受容の一部である自己否定感をしっかりケアしていくことで、適度な自尊感情が育まれるということです。

適切な自尊感情を育むための情報は、こちらにまとめましたので、是非あわせてご覧ください。

今回はこの辺で。読んで下さってありがとうございました!