言葉が遅い/出ない/少ない【自閉症以外】の要因

2020年10月27日

言葉が遅い自閉症以外の要因

今回は、言葉が遅い/出ない/少ないなどといった、言語発達遅延の【自閉症以外】の要因について見ていきます。

1 . 聴覚障害

最も注意したいのが、聴覚障害の可能性です。

重度のものなら、生まれた時に分かる

もちろん、幼少時難聴という、聴覚障害で重度のものは生まれつきの障害で、多くの産院で退院するまでに行われる聴覚のスクリーニング検査にて診断ができるものです

幼少時難聴は脳の障害ではなく、中耳や内耳の障害で生後1ヶ月以内に全員検査を受けることが勧められているものなので、多くの方が受けていると思います。産院で何も言われていなければ、あまり心配はいりません

新生児は、生後1ヶ月以内、できたら出産後の退院前に聴覚のスクリーニング検査を受けることが勧められています。これは、言語やコミュニケーションの能力は、生後2~3年のうちに急速に発達するため、難聴の発見が遅れると、これらの能力の発達も遅れてしまうためです。

独立行政法人国立病院機構 東京医療センター「幼小児の難聴について

中度のものは、気付かれにくい

しかし、中度の難聴では気付かれにくいのです。気になる方は1、2歳代で受けられるCOR(条件詮索反応聴力検査)という聴覚検査があるので受けられる病院を探してみてはいかがでしょうか。

生後6ヶ月~3歳のお子さんには、条件詮索反応聴力検査(COR)を行います。この検査では、イヤーフォンまたはスピーカーから音を出します。はじめは人形と音を同時に出して、色々な音に反応できるようになってもらい、きちんと反応できた場合、お子さんが喜ぶような人形が見られるようになっています。

独立行政法人国立病院機構 東京医療センターhttp://www.ntmc.go.jp/ntmc2/nancho/syoni/syoni_main.htm

2.知的障害

次に考えられるものは、【知的障害】です。

【知的障害】があるかどうかは、田中ビネー知能検査ⅤWISC-Ⅳから求められるIQから判別できます。

【知的障害】と【自閉スペクトラム症違います

しかし自閉スペクトラム症の多くの人が知的障害を併発しており、混同されがちです。

自閉スペクトラム症とは?

また、言語発達遅滞という特徴も似ていることから、教育機関などで正しく判別・対応されていないと指摘しているアメリカの専門家もいます。

知的障害自閉スペクトラム症見分けるポイントなどは、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

3.表出性言語発達遅延

次に考えられるものは、【表出性言語発達遅延です。

精神障害の一つ

精神障害の一つに「会話及び言語の特異的発達障害(Specific developmental disorders of speech and language)」があります。その障害は、正常な言語獲得パターンが、発達早期の段階からから損なわれている障害のことです。音を作る時に使う器官の問題でもなく、知的障害・神経学的な異常・感覚の機能障害・環境要因が直接的な原因になならないものを指します。

言語理解は問題ない

その「会話及び言語の特異的発達障害」の中に、表出性言語発達遅延という言語の使用だけが難しく言語理解は問題ない障害が含まれています

F80.1 表出性言語障害

特異的な発達障害で,表出言語使用の能力は精神年齢に相応する水準より著しく低いが,しかし言語理解は正常範囲である。構音の異常があることもないこともある。

発達性不全失語(症)又は失語(症),表出型

厚生労働省サイト「疾病、傷害及び死因の統計分類」> 2.基本分類表及び内容例示表>イ.ICD-10(2013年版)準拠内容例示表>第5章 精神及び行動の障害(F00-F99)

言葉は遅いが、コミュニケーションしようとする

具体的には、他の子よりも言葉が遅く、語彙数が少ないです。4歳までには短い言い回しで話せるようになりますが、新しい言語を覚えて保持することが難しいようです。自閉スペクトラム症のように社会的コミュニケーションの欠如はみられないため、コミュニケーションをとろうとジェスチャーを使ったり、実演したり、身振り手振りで自分の気持ちを伝えようとします。

表出性言語障害は、正しく言葉を理解しているにもかかわらず、言葉を使う能力が精神年齢に即した水準を下回る障害です。(中略)言語障害にもかかわらずコミュニケーションを求めようとし、実演、ジェスチャー、身振り、言葉でない発声によって言葉のなさを補おうとする傾向がある。

心療内科、神経科 ハートクリニック こころのはなし「表出性言語障害」最終閲覧日2020.08.07

原因は不明

精神障害に分類されるように、原因は明確にはなっていませんが、脳の微細な損傷や、発達の遅れが基盤にあるのではないかと考えられています。

4 .その他

他にも聴力に異常はないが脳の機能障害のせいで、人が話している言葉を情報として認識するのが困難な「聴覚情報処理障害APD:Auditory Processing disorder)」や、正しく発音できない「構音障害」なども考えられます。

また少し大きいお子さんについては、言葉は理解していて言いたいことも言える(発声)けれど、言葉が口から出る方法を制御できず吃音になってしまう「韻律障害(プロソディー障害/dysprosody)」なども含まれてくるのではないでしょうか。これは3歳児健康診査(三歳児健診)以降に発症するものです。

さいごに

今回は、言語発達遅延の【自閉症以外】の要因の代表的な3点についてまとめてみました。

自閉スペクトラム症かどうか考察したい場合は、下記ページをご参考になさってください。