幼児教室でうちの子だけできない。もしかして自閉症なの?

幼児教室でうちの子だけできない

幼児教室でうちの子だけ皆と一緒にやらない。走り回ってばかり。一緒にやらせようとすると泣いて親の腕からすり抜けていく。そんな状況では、もう親が泣きたいくらいなんです。

今回は、そんな子が自閉症かどうかを考えます。

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下記では自閉症の他に、自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)、発達障害という用語が出てきます。それらの違いについては「【自閉症】【自閉スペクトラム症】の違いは?|発達障害、ASD、ADHD などの用語説明も」ページで詳しく解説していますので、是非あわせてご覧ください。

自閉症・自閉スペクトラム症の可能性があるの?

幼児教室に通うような年齢だと医師でも診断を下すのは難しいものですが、理論的にどうなのか、一緒に考えてみましょう。

【考察1】多動について

幼児教室、特に年齢が幼いころに通う親子教室で一番目に入りやすい困った行動が、じっとしていられないことではないでしょうか。まだ言葉や身体能力で大きな差が出ているわけではないので、多動部分が目立ちます。

では多動の要素を持っている子は、自閉スペクトラム症なのでしょうか?その疑問については、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。ADHDの原因や、抑えつけるのがよくないなど、適切な対応方法も分かります。

【考察2】言葉がどのくらい出ているかチェック

自閉スペクトラム症児は、言語発達に遅延と特徴があると多くの先行研究から明らかになっています。

分かりやすい判断基準は、1歳6ヶ月の頃の言葉です。有意味語が出ているかどうかではなく、大切なのは語彙数です。

詳しくは下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。息子も1歳半健診の際に有意味語はありましたが、当てはまっていました。

【考察3】共同注意についてチェック

自閉スペクトラム症児は、上項目と同様に、共同注意の発達が困難であることが分かっています。

小さい子の共同注意として分かりやすく言うと「ママ見て―!飛行機が飛んでるよー!」というような指さしをした時に、お母さんの飛行機交互に見たり、嬉しさ・美味しさ・その場の楽しさをお母さん(周りの人)の確認しながら分かち合おうとすることです。

すぐできて分かりやすい共同注意のチェックとしては、1歳半健診でも取り入れられている「指さし」のチェックがあります。詳しくは下記ページをご覧いただき、チェックしてみてください。

【考察4】言葉と指さし、両方引っかかるかチェック

【考察2】【考察3】であげた、言語発達と共同注意には密接な関連性があることも分かっています。

なので自閉スペクトラム症児であれば、両方の項目ともに気になる点がある、となる確率が高くなることが考えられます。

【考察5】3歳頃までは様子見するしかない?

よく自閉スペクトラム症児かどうか、医師が診断を確定するのは、3歳頃からと見聞きします。

私も息子が小さい頃、息子が他の子みたいにできない不安を相談した保健師さんや保育士さんからも「発達に障害があるかどうかは、3歳くらいにならないとはっきりとは言えない」「まだ1歳(2歳)だもの」「そんなものよ」「発達には差があるから気にしすぎないで」と一様に言われました。ネット検索上の説明でもそのような記事ばかりでした。

では、3歳までは様子見しか方法がないのでしょうか?

実体験からお伝えすると、そんなことはありませんでした。

自閉スペクトラム症かどうかは、2歳代でも明らか

自閉スペクトラム症は、大きくなるにつれてそうなっていくのではなく、その特性を持って生まれてきます

その特性は人によって千差万別、かつ、他の小さい子供であれば同じような言動も見られるため、幼いうちは識別できないだけです。

例えば非常に軽度な自閉スペクトラム症で、大人になるまで気が付かないような人でも、専門家がその人の幼少期を調べれば、特徴が出ていることが分かるというものです。生活の上で困ったことがなければ、一生、自閉スペクトラム症と診断されない人もいます。概念的には定型発達の人と延長線上に並んでいるというものなので、どの程度の人なら診断名が付くのか?と聞かれれば、その人が社会生活上で「障害」となり得るなにかがあるかどうかが規準になると言えます。

自閉スペクトラム症概念図
ケンブリッジ大学発達精神病理学科サイモン・バロン=コーエン教授による自閉症スペクトラム障害図(2011)画像はwikipediaより

息子の場合

1歳半健診では引っかからなかった(要観察にはならなかった)息子は、1歳4ヶ月で定型発達児ではないと母は感じ、1歳10ヶ月で市役所を通して児童発達支援の教室へ通い、2歳5ヶ月で大学病院の発達外来で「何かしらの発達障害と言えるでしょう」と専門医から診断を受けました。生後8ヶ月から普通の親子教室や後に幼児教室にも通っていたこともあり、このテーマのような悩みにも直面しました。詳しくは下記ページをご参照ください。

世界中で最も広く使用されている精神科の教科書を作ったベンジャミン・サドック(Benjamin James Sadock)博士も、自閉症スペクトラム症は、2歳代明らか(重度であれば1歳代)と結論付けています。詳しくは下記ページで説明していますので、是非あわせてご覧ください。

まとめ

今回は、幼児教室でうちの子だけ他の子みたいにできないと感じた時に、その子が自閉症・自閉スペクトラム症かを考えるポイントを説明してきました。

今後、幼児教室を続けるべきか辞めるべきかについて考える際のポイントは「【他の子みたいに出来てない】その幼児教室、続けるべきか辞めるべきか」ページで、子どもの自尊感情を育てる部分を軸にまとめました。ぜひ併せてご覧ください。

今回はこの辺で。最後まで読んで下さって、ありがとうございました!