【参考資料】てんかんとケトン食

簡単なまとめですが、参考資料として。

ケトン食

ケトン食は、炭水化物を少なく脂肪を多く摂取することで、身体からケトン体を作り出す食事療法で、多動や自閉症にも効果があると言われています。糖質ダイエットと似ていますが、食事療法とされるものは非常に厳密なものです。

Standard ketogenic diet (SKD): This is a very low carb, moderate protein and high fat diet. It typically contains 70% fat, 20% protein, and only 10% carbs

healthline “The Ketogenic Diet: A Detailed Beginner’s Guide to Keto" Amy Richter, RD 2020年10月22日
↑ 和訳概要

標準的なケトン食療法(SKD):これは、非常に低炭水化物、中程度のタンパク質、高脂肪の食事療法です。通常、脂肪は70%、タンパク質は20%、炭水化物は10%しか含まれていません

日本でも平成28年4月から「てんかん食」として、てんかんの治療食と認められ特別食加算の対象となっているものです。

てんかんだけでなく、自閉スペクトラム症や発達障害にも効果があると言われているようです。

ケトン食は、先天代謝異常症・てんかんだけでなく、発達障害・自閉症・認知障害・アルツハイマー、頭部外傷や脊髄外傷、そしてがんにも効果があると言われている。

第 21 回大阪府栄養士会研究発表会「小児のてんかんとてんかん食について」大阪府立母子保健総合医療センター 小児神経科 研究所免疫部門 副部長 柳原 恵子先生

てんかんの息子のために先生に話を聞いた

息子も難治性てんかんなので、幼少期にはケトン食の提案もされました。「お菓子やご飯・パンなどの炭水化物はほぼ控え、お肉の脂身やマヨネーズたっぷりのご飯になるよー」と。

主治医はケトン食は多動にも効果があるとも教えてくれ、当時は息子の多動のため日常生活が非常に困難だったので魅力的でした。

しかし、場合によっては初期に入院管理が必要であり、長期にわたってかなり徹底的に食事制限が必要なため、諦めたので、身をもって体験はしておりません。

息子は自閉症特性の偏食やこだわり(当時一日一個アイスクリームを食べるこだわりがあった)が強かったので、そんな息子を長期間制御する自信がありませんでした。

誤って糖質が身体に入ると、数ヶ月の効果が一瞬で無駄になると言われたので。

海外の研究

2003年の「ケトン食が自閉症児に対して効果があるのか」という海外の研究でも、4~10歳の自閉症児30人中12名が初期または1~2ヶ月後にギブアップしたと報告されています。

残りの18人については、ケトン食を6か月間適用(4週間の連続投与、2週間の中断の繰り返し)した結果、2名が有意な改善、8人が平均改善、8人が軽微な改善がなされ、たという結果でした。論文の結論は下記です。

Although these data are very preliminary, there is some evidence that the ketogenic diet may be used in autistic behavior as an additional or alternative therapy.

Journal of child neurology 2003Feb01 Vol. 18 issue(2) “Application of a Ketogenic Diet in Children With Autistic Behavior: Pilot Study" Athanasios Evangeliou, Ioannis Vlachonikolis, Helen Mihailidou, et al.
↑ 和訳概要

これらのデータは非常に予備的なものですが、ケトン食療法が追加または代替療法として、自閉症の行動に使用される可能性があるといういくつかの証拠があります。