1・2歳児【発達】不安|【自閉症?】親が簡単に確認する方法まとめ

2021年2月4日

自閉症かを簡単に確認するまとめ

「この子は自閉症かもしれないの?」と一度でも思ってしまった親にとっては、毎日が不安で辛い日々です。

その子が自閉症・自閉スペクトラム症(ASD)かどうか。これについてはよく「3歳くらいにならないと分からない」「専門医に診てもらわないと診断できない」と言われていますしね。先が長いです。

そこで今回は、自宅で親が簡単に自閉症・自閉スペクトラム症なのか、可能性はどのくらいなのか、確認する方法をまとめてみました。

はじめに

自閉症と自閉スペクトラム症は違います。それらの違いについては「【自閉症】【自閉スペクトラム症】【発達障害】の違いとは?」ページで詳しく解説していますので、是非あわせてご覧ください。

早期【気づき】の必要性

ゆくゆく自閉症・自閉スペクトラム症と診断された子の多くの親が、(「障害」と認識していないことが多いが)かなり早い段階で違和感や育てにくさを抱いていると報告されています。参考:埼玉大学紀要 教育学部,66(2):401-413(2017)「知的障害のない自閉症スペクトラム障害児の初期発達に関する研究」根岸 由紀、細渕 富夫

気になるお子さんへの発達の不安を「まだ小さいから」と目をそらしたくなりますが、このサイトのような情報を求めて行動できている方は、とても素晴らしいと思います。

早期に気づいて適切に対応してあげることは、その子ために非常に大切です。障害を持っていようが、なかろうがです。

発達障害はその特性を理解し、適切な関わりをすることによって、二次障害を軽減し、セルフエスティームを高め、何より本人が自分自身とうまくかかわれるようになる。「早期に気づく」ということは早くから医療機関に行き、何らかの診断を受け療育につながるために必要なのではなく、早く気づいたことによって「育てにくさ」を抱えた子育てを理解した育児支援をするために必要なのである。

埼玉大学紀要 教育学部、63(2):49-59(2014)「特別な支援を要する子どもを持つ保護者の気づきに関する研究」根岸由紀、葉石光一、細渕富夫

子どもの発育に非常に大切な自尊感情(セルフエスティーム)は、乳児期から発達しているからです。

親の不安な気持ち

一方、残念ながら親御さんの「不安な気持ち」「不安になることを受け入れられない気持ち」は、後回しになってしまいます。

残念ながらその子が何かしらの障害をもっていることが明確になったとしても、親の障害受容は簡単ではなく数年という時間がかかることも、多くの先行研究から明らかになっているのです。子どもの障害が分かることを「期待した子どもの死」と表現する研究もあります。参考:国立精神・神経センター精神保健研究所「親の障害の認識と受容に関する考察-受容の段階説と慢性的悲哀」中田洋二郎(1995年12月)早稲田心理学年報第27号

他児との違いや困難さを指摘された保護者は戸惑い、悲しみ、怒りの経過を経て、時間をかけて「受け留める」ことができるようになっていく。親の障害受容過程についての過去の研究においても、段階説、慢性的悲嘆説、その両方があることが指摘されている(中田、1995)。発達障害は「目に見えにくい障害」であるため、本人も周囲も理解が難しく、受容に時間がかかるといわれている。

埼玉大学紀要 教育学部、63(2):49-59(2014)「特別な支援を要する子どもを持つ保護者の気づきに関する研究」根岸由紀、葉石光一、細渕富夫

発達に不安になったばかり、または、明白にならない段階では、「大丈夫」「頑張ってしつけしなくては」という気持ちと交錯してさらに複雑な時期になります。私も経験しましたが、とてもつらい時期でした。(なので、まだまだ至りませんが、主にそのような方に向けてこのサイト構築を頑張っています。)

親の障害受容については、後日アップします。

早期【気づき】→ 経験が必要

定型発達児と自閉スペクトラム症児の違いについての気づきは、定型発達児との関りの経験や知識が多いほど明確になるとも報告されています。

乳児期の相談や保育、健診を行っている専門職(保育士、保健師、臨床心理士あるいは臨床発達心理士)各職種6名ずつ計18名に対し、定型発達児1名と自閉スペクトラム症児(知的障害なし)2名の生後4ヶ月の頃のホームビデオを見てもらい、違和感を感じるか、多くの項目に分けて回答してもらった研究結果です。

HFASDに違和感を持つ要因として、重回帰分析によると「臨床経験の有無」が最も影響していた。(中略)これは「知識としての障害児像(例えば「障害児は表情が乏しい」、「目が合いにくいのは発達に遅れがあるのではないか」など)」と対比させることで違和感の有無を検討していたと考えられる。

埼玉大学紀要 教育学部,66(2):401-413(2017)「知的障害のない自閉症スペクトラム障害児の初期発達に関する研究」根岸 由紀、細渕 富夫

そのため、第二子、第三子などの方が、保護者の経験上、第一子に比べて気づかれる可能性は高いです。

知的障害のある発達障害群Ⅰ(中略)、知的障害がないか軽微な発達障害児群Ⅱ(中略)。群Ⅰにおいても群Ⅱにおいても第1子よりも第3子のほうが早期から保護者はわが子の発達に何らかの違和感を覚えていた

埼玉大学紀要 教育学部、63(2):49-59(2014)「特別な支援を要する子どもを持つ保護者の気づきに関する研究」根岸由紀、葉石光一、細渕富夫

下記ページに、定型発達児と自閉症時の比較もまとめてありますので、是非ご参考になさってください。

【そうであっても安心できない】チェック項目

  • こちらの顔を見てくる、目が合う
  • 言葉が出ている

自閉症の子(人)は、人の顔を見ない、話さない、人と会話しないというイメージがありませんか?ドラマなどでもそのような特徴として描かれることが多いですよね。

専門職(保育士、保健師、臨床心理士あるいは臨床発達心理士)に対する調査でも定型発達児(TD児)1名と自閉スペクトラム症児(知的障害なし)(HFASD児)2名の生後4ヶ月の頃のホームビデオを見てもらい、違和感を感じるか、多くの項目に分けて回答してもらった結果、臨床経験がない場合、下記のように判断したという研究があります。

一方、臨床経験のない参加者は、HFASDの映像を見て「笑っているから違和感がない(TD児だ)」、TD児の映像を見て「視線が合っていないから違和感がある(TD児ではない)」と理由づけて判断する傾向があった。これは「知識としての障害児像(例えば「障害児は表情が乏しい」、「目が合いにくいのは発達に遅れがあるのではないか」など)」と対比させることで違和感の有無を検討していたと考えられる。

埼玉大学紀要 教育学部,66(2):401-413(2017)「知的障害のない自閉症スペクトラム障害児の初期発達に関する研究」根岸 由紀、細渕 富夫

しかし、「目が合わない」「話さない」のは、ごく一部の自閉症の人の特徴なのです。自閉スペクトラム症児と関わる経験が多くなると分かることです。

また、自閉症の人の独特な言語発達も、中心的な障害ではありません。そちらについては、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

【こうなら可能性が高いかも…】なチェック項目

  • 洋服を脱ぎ着させる時、くすぐったがったり痛がったりして手が掛かりますか?
  • 冷たいお風呂にも平気で入っていたりしますか?
  • シャワーが肌に当たるのをとても嫌がったりしますか?
  • 連続したものをずっと見ているのが好きですか? 例)一列に並べたおもちゃ、丸いものをくるくる回した光景など
  • いつもと違う道を通るとパニックになり、いつもの道に行きたがりますか?
  • 特定のモノや順序に、異常なほど執着しますか?
  • こちらの声や制止なんてお構いなしに、好き勝手な所に走り出してしまいますか?
  • 手遊びなどは全くやろうとしませんか?
  • 遊び場で同じくらいの年代の子の真似をしますか?(物おじして真似できないのは大丈夫)

これらは、自閉スペクトラム症の【中心的な障害に該当】する項目になるからです。

世界的な操作的診断基準である【ICD-10】や【DSM-5】の自閉スペクトラム症の診断基準の内容については、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

多動について

多動も自閉スペクトラム症の子にはよく見られる特性です。しかし、多動と一言にいっても、自閉スペクトラム症ではなく、ADHDの多動も存在します。

多動やADHDについては、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

【これができるなら少し安心】なチェック項目

  • 子どもが「どうしよう…」と思う場面で、親の顔を見て確認してきますか?(定型発達の子であれば、それは非常に頻繁に行われています)
  • 大人が指さしする方向を見ようと、また、対象物を探そうとしますか?(正確に探せなくても、探そうとしていればOK)
  • 絵本を見ている時に「〇〇はどれ?」の問いに答えようとしますか?(興味がなくて次のページに行きたいとかであれば大丈夫。例えば、自閉症・自閉スペクトラム症であれば、その子が絵本を読んでいる時に隣に行くとリアクションなどなく、ス―っといなくなることが多い。

ただし、初めての子が自閉症・自閉スペクトラム症であった場合、親はその行動を見る機会がない(少ない)ため、どのような行動を指しているのか正確に分からないことがあるので注意が必要。

上記は、共同注意という自閉スペクトラム症児であれば習得が困難な部分に該当する項目だからです。

共同注意で分かりやすい行動は「指さし」です。定型発達児と自閉症児の指さしの違いについては、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

一歳半健診などで行われる指さしチェックがクリアできなかったなど、わが子の指さしに対して不安に思っている方がいましたら、下記ページをご覧ください。

今できることは?

不安であれば、何かしらの療育を学ぶことがお子さんのみならず、親御さんの助けになります。

療育は、障害を診断された子だけが行うものではありません。また、子どもよりも、親の学習の機会が多い場でもあります。

気軽に通える親子教室

私が息子と1歳10ヶ月から通った地域の保健センターの親子教室は、書類の手続きなど全く必要ありませんでした。その後、幼稚園に入園の頃には、その時点で問題がなくなったお友達も数人いました。もちろん性格的なその子の個性として(男の子が苦手、繊細)残っている部分もありましたが、小学生になる頃はどうみても定型発達児です。

専門職員()が療育を行う必要があると認める児童発達支援のお教室

自治体主体のお教室と、民間のお教室があります。

コペルプラスのような大手会社がやっているお教室から、地元の

ここまでの流れの中には、「診断」の有無は要されないはずである。「障害」なのか「個性」なのか判断のつき難い障害であるからこそ、障害の「診断」から療育が始まるのではなく、保護者の「困り」に寄り添いながら、具体的な対応を共に考えながら、信頼関係を基に適切な(診断可能な)時期に専門機関につなげていくことも考えられるのではないだろうか。

参考までに

自閉スペクトラム症と知的障害は別のものですが、頻繁に併発します。

そのため、知的障害かどうかを評価する際に、日本でもっとも使用されている田中ビネー知能検査Ⅴは参考になると思いますので、是非下記ページもあわせてご覧ください。

また、田中ビネー知能検査Ⅴでは、その年齢の子たちが半数以上通過できる問題が年齢別に設定されています。2歳から行える検査です。問題内容が発達の目安として分かりやすいので、わが子の発達に不安がある方は下記ページもご覧ください。

まとめ

今回は、1・2歳児のわが子が自閉症かどうかや発達が不安になった際に、どのような項目を確認すれば論理的に不安を整理できるのかまとめてみました。

実際に自閉症かどうか、臨床医がどのように診断をするのか、ということに関しては、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。

また、私が2歳の息子を初めて発達外来に連れて行ったことについても記載していますので、どなたかの参考になれば幸いです。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!