壊れやすい自尊感情|維持に必要なもの|挫折したときのポイントは?

2020年7月20日

壊れやすい自尊感情【維持】するためには!?

子どもの自尊感情は、育ったら確立してくれるものではなく、壊れやすい感情であることをご存知ですか?自尊感情は親の影響だけではなく、長きにわたり学校や職場、友人・人間関係とも深く関わってきます。

そこで今回は、そんな子どもの自尊感情を【維持】するために大切なことを解説していきます!

維持に必要なこと

愛と安心感のある環境

自尊感情は乳児期から発達しますが、「子供が安全で、愛され、受け入れられたと感じるような、積極的な注意と愛情のこもったケアを受けたとき」に始まると言われています。(詳しくは「自尊感情とは?>自尊感情の発達」で解説しています。)

それは、自尊感情を維持する際にも同様の条件です。子どもが自尊感情を持つためには、周りの人々から愛を持って接してもらい「居場所感」や「幸福感」を感じるられる環境が必要です。

発達心理学や保育臨床学をご専門としている茨城キリスト教大学の中島美那子教授は、自尊感情を育むためには、ありのままの自分を受け入れられる環境が必要不可欠と述べています。1)

サンフランシスコ大学のジム・テイラー(Jim Taylor)博士は、自尊感情は愛と安心感から生まれ、能力を伸ばすことから生まれると述べています。

画像はDr. Jim Taylorより

自分の人生を上手く処理できるという信念

アメリカ北イリノイ大学のChild Development and Family Centerの教師シェリー・ニューマン(Sherie Newman)氏は、自尊感情について、子どもたちが自分の人生をうまく処理できるという信念を築くことが重要としています。

画像はNIUより

先述したテイラー博士も、自尊感情の構成要素となる自信は、子どもたちが自分で選択し、(年齢に応じた)健康的なリスクを経験して、問題を解決することから生まれるとしてます。2)

アメリカ北イリノイ大学のChild Development and Family Centerの教師シェリー・ニューマン(Sherie Newman)氏も、自尊感情は「自分の不足を見て、それでもまだ自分を好きになることを選び、私たちが誰であるかを受け入れることを学ぶことから生まれる」と述べています。

責任を感じられること

米オハイオ州立大学のFamily and Consumer Sciencesでも、子どもがより大きな自尊感情を持つためには、自分の経験が自分のもので責任を感じることが大切と述べています。3)

挫折したときのポイント

長い人生で上下する自尊感情。挫折や競争で負けてしまった時に自分の価値・自尊感情を維持し続けるためのポイントもみていきましょう。

挫折と自尊感情

自尊感情は、「自分からみた自分を評価する感情」(基本的自尊感情)と、「他人からみた自分を評価する感情」(社会的自尊感情)の2つから成り立っています4)。挫折とは多くが後者が砕けることを意味します。

基本的自尊感情が心を支える

挫折、つまり、社会的自尊感情が砕けてしまった時、基本的自尊感情が心を支える土台になります。そのため、「自分からみた自分を評価する感情」がしっかりと育まれていると、安定した自尊感情が維持できます。

「ここが人より優れられなかった自分でも、これでいいんだ」と思える、ということです。

もしも基本的自尊感情が欠落している場合、劣ってしまった部分が自分の一部であるにも関わらず、自分の存在自体に価値を見いだせなくなるのです。

基本的自尊感情

…自分の良いところも悪いところも、あるがままに受け入れ、無条件に自らの存在を認める自尊感情。社会的自尊感情の土台。

社会的自尊感情

…他者との比較によって形成される自尊感情。競争や努力によって育まれる。また、他者からの受け入れによっても育まれる。

東海大学、山陽学園大学の教授も務めた健康教育学・臨床心理学を専門とする近藤卓臨床心理士も、挫折・失敗時に自分の価値・自尊感情を維持し続けるためには、「基本的自尊感情」「社会的自尊感情」をバランスよく育てることが重要と述べています。

画像はresearchmapより

参考情報・文献の引用

1) 必要な環境

自尊感情を育むためには,ありのままの自分を「これでよい」と実感することのできる環境が必要不可欠なのである

茨城キリスト教大学紀要第45号 人文科学Pp.119-129「母親の自尊感情と養育態度― 子どもの自尊感情を育むために ―」加藤悠・中島美那子

2) 自信について

Taylor says. “(中略) confidence comes from doing, from trying and failing and trying again—from practise.”

Today’s Parent “11 tips on building self-esteem in children" Randi Chapnik Myers. 2018.05.01
↑ 和訳概要

自信は、実践、試行錯誤、そして再試行から生まれます。

3) 責任を感じることが大切

children will have greater self-esteem if they feel a sense of ownership and responsibility for their experiences.

Child Development and Family Center ”The Importance of Self-esteem" by Sherie Newman (CDFC Teacher)
↑ 和訳概要

子どもたちは、彼らの経験に自己帰属感(※)や責任を感じられたら、子供たちはより大きな自尊心を持つでしょう。

※:自己帰属感とは…私が動いている(または止まっている)または考えているなど、動き・行動・思考が私のものであると感じること 参考:Gallagher, S. 2000. Philosophical Conceptions of the Self: Implications for Cognitive Science

4) 2つの視点

ここで重要なことは,自尊感情は,「自己から見た自分を自己評価する感情」と「他者から見た自分を自己評価する感情」という二つの視点をもっているということである。

鹿児島県総合教育センター 平成23年度長期研修研究報告書「子どもの自尊感情を育てる道徳学習の在り方」伊佐市立大口東小学校 教諭 安樂 朋陽

さいごに

子どもが自尊感情を維持するためには、周りの人々の愛、そして自分の行動で起きたことを、自分で問題を解決し、自信をつけること。挫折した時にも自尊感情を維持するためには、基本的自尊感情が安定いているかがポイントになっていることが分かりました。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!