壊れやすい自尊感情【持つ】【維持】するためには!?【子どもの自尊感情を育てようシリーズ④】

2020年7月20日

壊れやすい自尊感情【維持】するためには!?

子どもの自尊感情は、育ったら確立してくれるものではなく、壊れやすい感情であることをご存知ですか?

しかも親の影響だけではなく、長きにわたり学校や職場、友人・人間関係とも深く関わってきます。

親が守りきれるものでもないのです。愛しのわが子の自尊感情、できれば親としてずっと守ってあげたいけれど(泣)

そこで今回は、そんな子どもの自尊感情を【持つ】【維持】するために大切なことを解説していきます!

子どもが自尊感情を【持つ】ために大切なことは?

自分を受け入れる環境

発達心理学や保育臨床学をご専門としている茨城キリスト教大学の中島美那子 教授は、自尊感情を育むためには、ありのままの自分を受け入れられる環境が必要と述べています。

自尊感情を育むためには,ありのままの自分を「これでよい」と実感することのできる環境が必要不可欠なのである

茨城キリスト教大学紀要第45号 人文科学Pp.119-129「母親の自尊感情と養育態度― 子どもの自尊感情を育むために ―」加藤悠・中島美那子

自分で選択・問題を解決すること

サンフランシスコ大学のジム・テイラー(Jim Taylor)博士は、自尊感情は愛と安心感から生まれ、能力を伸ばすことから生まれると述べています。

やはり愛や安心感が大前提になることが分かります。

また、自尊感情の構成要素となる自信(※1)は、子どもたちに(年齢に応じた)自分で選択、健康的なリスクを経験、問題を解決することから生まれるとしてます。

Taylor says. “(中略) confidence comes from doing, from trying and failing and trying again—from practise.”

Today’s Parent “11 tips on building self-esteem in children" Randi Chapnik Myers. 2018.05.01
↑ 和訳概要

自信は、実践、試行錯誤、そして再試行から生まれます。

※1:慶応義塾大学経済学部の教授でいらした河地和子氏は、自尊感情の構成要素とする「自己効力感」について「自信」と表現しています。詳しくは「【自尊感情】とは?大切な理由、自尊心との違いとは?」ページをご覧ください。

責任を感じられること

米オハイオ州立大学のFamily and Consumer Sciencesでも、子どもがより大きな自尊感情を持つためには、自分の経験が自分のもので責任を感じることが大切と述べています。

やはり自分というものを意識して、自分で責任を感じ解決することが大切なのですね。

children will have greater self-esteem if they feel a sense of ownership and responsibility for their experiences.

Child Development and Family Center ”The Importance of Self-esteem" by Sherie Newman (CDFC Teacher) 最終閲覧日2020/07/05
↑ 和訳概要

子どもたちは、彼らの経験に自己帰属感(※2)や責任を感じられたら、子供たちはより大きな自尊心を持つでしょう。

※自己帰属感とは:私が動いている(または止まっている)または考えているなど、動き・行動・思考が私のものであると感じること

※2:自己帰属感とは…私が動いている(または止まっている)または考えているなど、動き・行動・思考が私のものであると感じること 参考:Gallagher, S. 2000. Philosophical Conceptions of the Self: Implications for Cognitive Science

自分の人生を上手く処理できるという信念

アメリカ北イリノイ大学のChild Development and Family Centerの教師シェリー・ニューマン(Sherie Newman)氏は、自尊感情について、子どもたちが自分の人生をうまく処理できるという信念を築くことが重要としています。

画像はNIUより

自分の行動で起きたことを、自分で問題を解決することで、自分はうまく処理できると自信になるんですねー。なるほど。

小まとめ

子どもが自尊感情を持つためには、周りの人々がを持って接し「居場所感」や「幸福感」を感じるられる環境下で、下記をポイントに子育てするのが大切であることが分かりましたね。

ポイント

子どもが自尊感情を持つためには、自分で選択し、自分で問題を解決することで「自分は人生をうまく処理できる」という信念を持つことが大切

子どもが自尊感情を【維持】するために大切なことは?

長い人生で上下する自尊感情。それを維持するためのポイントもおさえておきたいところですよね。

2つの自尊感情をバランスよく育てる

東海大学、山陽学園大学の教授も務めた健康教育学・臨床心理学を専門とする近藤卓臨床心理士は、挫折や競争で負けてしまった時に自分の価値・自尊感情を維持し続けるためのポイントを下記のように述べています。

画像はresearchmapより

下記の二つをバランスよく育てることが重要。

  • 基本的自尊感情
  • 社会的自尊感情

基本的自尊感情・社会的自尊感情とは?

基本的自尊感情

自分の良いところも悪いところもあるがままに受け入れ、無条件に自らの存在を認める自尊感情

それは、社会的自尊感情の土台です。土台がしっかりと育まれていなければ、不安定な自尊感情となります。

社会的自尊感情

他者との比較によって形成される自尊感情

それは、競争や努力によって育まれます。

また、他者からの受け入れによっても育まれます

セルフ・エスティームの心理学 自己価値の探求」の著者である九州大学などで教授を務めた遠藤辰雄心理士は、自尊感情は「重要な他者」を含む人間関係のなかで形成されるものと述べています。

ここで重要なことは,自尊感情は,「自己から見た自分を自己評価する感情」と「他者から見た自分を自己評価する感情」という二つの視点をもっているということである。

鹿児島県総合教育センター 平成23年度長期研修研究報告書「子どもの自尊感情を育てる道徳学習の在り方」伊佐市立大口東小学校 教諭 安樂 朋陽

しかし、他者が関係する分、挫折や競争に負けたりすることで、すぐに砕けてしまいます

基本的自尊感情が、心を支える

社会的自尊感情が砕けてしまった時、基本的自尊感情が心を支えるのです。

「ここが人より優れられなかった自分でも、これでいいんだ」と思える、ということです。

もしも基本的自尊感情が欠落している場合、劣ってしまった部分が自分の一部であるにも関わらず、自分の存在自体に価値を見いだせなくなるのです。

自尊感情の基礎部分を適切に育むことが大切なことが分かりますね。

まとめ

子どもが自尊感情を持つためには、自分は人生をうまく処理できると思えること。挫折した時にも自尊感情を維持するためには、基本的自尊感情が安定いているかがポイントになっていることが分かりました。

自尊感情を高めるためのポイントのページも参考にしながら、子どもの自尊感情を長い目で見守ってあげたいですね。

今回はこの辺で。読んで下さってありがとうございました!