操作的診断基準ってなに?
操作的診断基準ってなに?
操作的診断とは、精神障害の分野で使用される、原因が明確になっていない症状に対する診断基準のことです。
操作的診断基準は、原因不明なため、検査法がなく、臨床症状に依存して診断せざるを得ない精神疾患に対し、信頼性の高い診断を与えるために、明確な基準を設けた診断基準である。
脳科学辞典「操作的診断基準(精神疾患の)」
「自閉症」の【操作的診断基準】は?
自閉症・自閉スペクトラム症も精神障害のうちの1つなので、その2つに診断基準が記載してあります。
診断基準の項目については、下記ページで詳しく解説していますので、是非あわせてそちらをご覧ください。
さらに自閉症・自閉スペクトラム症の原因が明確になっていない理由は、下記です。
「操作的」ってどういうこと?
「操作的」とは、「操作的定義」と捉えられます。
操作的定義とは、目で見て測定・定義できない曖昧な概念を、具体的に、誰が取り扱っても同じ結果になるように、言葉で定義することを言う
具体例
例:「知能」とは?
「知能」はWikipediaでは「論理的に考える、計画を立てる、問題解決する、抽象的に考える、考えを把握する、言語機能、学習機能などさまざまな知的活動を含む心の特性のこと」と定義されています。
では目の前にいる人の知能はどの位ですか?と言われても分かるものではありません。
「知能」に対する操作的定義とは「知能は知能検査の得点である」という定義になります。
最新の【操作的診断基準】として使われているものは?
2020年現在、精神障害における最新版の【操作的診断基準】として使用されているものは、下記の2つです。
●【ICD-11】(2022年)
●【DSM-5】(2013年)
ICD-10、DSM-5については、下記ページで詳しく説明していますので、是非あわせてご覧ください。
【操作的診断基準】が生まれたのはいつ?なぜ必要だった?
世界で初めてとなる【操作的診断基準】が導入されたのは、アメリカ精神医学会(APA)によって1980年に発効された【DSM-Ⅲ】です。経緯などは下記ページで解説していますので、是非あわせてご覧ください。
今回は以上です。最後まで読んで下さって、ありがとうございました!