【ICD-10】【DSM-5】 ってなに?違いは?

2020年5月9日

ICD-10、DSM-5って何?

今回は、【ICD-10】と【DSM-5】について、自閉症・自閉スペクトラム症との関連性も含めて見ていきます。

分類表であり、精神障害の診断基準

ICD、DSMって何?

精神障害の診断基準

【ICD-10】も【DSM-5】 も、 精神障害診断基準操作的診断基準)が載っています。現時点で分類できている精神障害が網羅されています。

自閉症・自閉スペクトラム症も、精神障害の一つです。なので、その操作的診断基準も載っています。→自閉スペクトラム症の具体的な診断基準項目の内容

色んな病気の分類表

その他に、疾病と障害の分類表でもあります。病気や障害ごとに数桁のコード化がなされています。精神障害だけではなく全てのです。

医師は、そのコードを用いてカルテや報告書をまとめています。それにより、各方面で国際的な比較でき、様々な統計がとれるようになっています。

はじめは分類表だけだった

今では精神障害の操作的診断基準となっている【ICD-10】【DSM-5】ですが、創刊当時から操作的診断基準だったわけではありません。操作的診断基準が導入された目的はこちらです。

では、さらに詳しく見ていきましょう。

国際的なもの

ICD-10 も DSM-5 も、国際的なものであり、各国で政府や適正な機関により正式に翻訳され、世界中で使用されています。

目的は?

ICD と DSM が作られた目的は「【ICD】が創刊されるまで」「【DSM】が創刊されるまで」ページで詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

本でも出版されている

本でも出版され、医師でなくても購入することができます。

数字は【バージョン】

ICD と DSM のハイフンの後ろについている数字はバージョンです。

2020年8月現在の最新バージョンが、ICD-10 、DSM-5 になります。ICD については正式には「ICD-10(2013年版)」が最新になるのですが、詳しくはこのページの下部「ICD-10(2013年版)準拠」ってなに?部分をご覧ください。

ICD も DSM も 略称

ICD も DSM も略称です。【正式名称】と【日本語での呼び方】は下記になります。

正式名称日本語
ICDInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems 疾病及び関連保健問題の国際統計分類(よく国際疾病分類と言われる)
DSMDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders精神障害の診断と統計マニュアル

発行元が違う

DSMアメリカ精神医学会(APA)が、ICD 世界保健機関(WHOが、発効しています。両者ともいわずと知れた、世界的な権威を持つ機関です。

WHOのICD・APAのDSM
発行元
ICDAPA(アメリカ精神医学会)
DSMWHO(世界保健機関)

ICD-10、DSM-5 その他の違いは?

ICD-10、DSM-5 の違いは?

【適用範囲】がちがう

適用範囲
ICD全ての疾患(身体疾患+精神障害)
DSM精神障害

DSM は、精神障害に特化したものです。一方 ICD は、全ての疾患(身体疾患+精神障害)を対象にしたものです。

【改訂時期】がちがう

ICD は 第1~9版までは10年 ごとに、DSM12~19年 ごとに改訂されています。ICD と DSM が改訂される時期は、一致していません

【最新版の発効年】が大幅にちがう

最新版 発効年 改訂時期
ICD-101990年約10年 ※ICD-11は2022年発効予定です
DSM-52013年12~19年

それぞれの最新版である ICD-10 は1990年、DSM-5 は2013年に発効されています。つまり、ICD と DSM の最新版の発効時期の差は、23年もあります。

ポイント

ICD の最新版(【ICD-10】)が発効された1990年 ~ DSM の最新版(【DSM-5】)が発効された2013年 の間に、自閉スペクトラム症という概念が生まれ、【ICD-10】 と 【DSM-5】の表記にも大きな差が生じることになった

【内容】は完全には一致していない

上記でみてきたように、【DSM】と【ICD の精神障害部分】の内容は、最初に作られた目的や発効元、改訂時期が違うことから、完全には一致はしていません。これが自閉症に関連する用語多様化・複雑化している主な理由です。

もちろん、1980年に発効されたDSM-Ⅲは、ICD の命名法と一致させるために6年も前から改訂法を検討されていたり、DSM-Ⅲ と ICD-9 の比較研究から、DSM-Ⅳ と ICD-10 を更に近づける作業が行われたり、精神医学診断の均一性と妥当性、国際的に標準化必要性のために、一貫した基準の確立は行われています。

参考:wikipedia “Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders /医学書院出版 精神医学 22巻12号(1980年12月15日)Pp.1263-1274「うつ病の国際的協同研究—特に診断分類について」長崎大学医学部精神神経科 高橋 良

最新版は【自閉症に関わる内容】が大きくちがう

23年もの差がある ICD と DSMの最新版においては、自閉症に関わる内容が大きく異なります。詳しくは下記ページで詳しく解説していますのでご覧ください。

「ICD-10(2013年版)準拠」ってなに?

ICD-10は、よく【ICD-10(2013年版)準拠】とも表記されていますよね。これはICD-10とは違うのでしょうか?

ICD-10は1990年に発効された最新版です。

ICD-11は2022年発効予定ですが、改正は毎年行われています。改正内容は、基本分類表に変化が及ばない索引がメインです。毎年その改正版を使用するのでは大変なので、WHOは主要な改正時に「今回は更新してください」と勧告を出しています。

ICD-10では2003年と2013年にその勧告があったため、最新版が2013年に改正された内容になります。

つまり、ICD-10(2013年版)準拠は、最新版国際疾病分類の基準に従っていますよ、という意味合いでの表記です。

参考:日本診療情報管理学会「webを用いてのICD-10改正(アップデート)の専用ページについて」http://www.jhim.jp/icd_voice/index.html

WHO が使用を勧告した 2013 年までの改正分について、我が国においても最新の分類を用いた統計を作成することとするため、平成28年1月1日よりICD-10(2013年版)に準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」(平成 27 年2月 13 日総務省告示第 35 号)を適用することとしました。

参考:厚生労働省サイト「疾病、傷害及び死因の統計分類の正しい理解と普及に向けて(ICD-10(2013年版)準拠)」厚生労働省政策統括官(統計・情報政策担当)付 参事官(企画調整担当)付 国際分類情報管理室https://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/dl/ICD-10_2013_2802.pdf

ICD・DSMを知ると多くの用語の成り立ちが理解できる

キーワード~ICD・DSM編~

ICD・DSMを知ることで、よく目にする、ICD-10、DSM-5、DSM-Ⅳ、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症、発達障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害、このあたりの用語の成り立ちについてマスターできます。

用語のことは、下記ページに詳しくまとめてありますので、そちらもご参照ください。

さいごに

今回は、ICD と DSM という国際的な分類表について見てきました。

この2つのことを詳しくおさることで、今後ネット検索する際や、医療機関に相談する際に混乱がなくなり強みになります。

読んでくださってありがとうございました!