わが子の自閉症|早期気づきの必要性|その時できることは?

2021年10月29日

発達障害_早期発見の必要性

今回は、わが子が発達障害かどうかを早期に気が付いてあげることの必要性と、どんな人が早期に気が付けているのかを見ていきます・

早期の気づき

必要性

早期に気づいて適切に対応してあげることは、結果にかかわらず、その子ために非常に大切です。子どもの発育に非常に大切な自尊感情は、乳児期から発達しているからです。

長期間、繰り返し不適切な対応をされ続けてしまうと、二次障害につながりますし、自尊感情も低くなってしまいます。

発達障害はその特性を理解し、適切な関わりをすることによって、二次障害を軽減し、セルフエスティームを高め、何より本人が自分自身とうまくかかわれるようになる。「早期に気づく」ということは早くから医療機関に行き、何らかの診断を受け療育につながるために必要なのではなく、早く気づいたことによって「育てにくさ」を抱えた子育てを理解した育児支援をするために必要なのである。

埼玉大学紀要 教育学部、63(2):49-59(2014)「特別な支援を要する子どもを持つ保護者の気づきに関する研究」根岸由紀、葉石光一、細渕富夫

国としてもその重要性から、市区町村に1歳6ヶ月児健康診査の実施を義務付けていたり、療育の施設だけでなく保育園などでも児童発達支援を行うようにと定めています。

親も早期から「違和感」は感じている

ゆくゆく自閉症・自閉スペクトラム症と診断された子の多くの親は、かなり早い段階で違和感や育てにくさを抱いていると報告されています。

参考:埼玉大学紀要 教育学部,66(2):401-413(2017)「知的障害のない自閉症スペクトラム障害児の初期発達に関する研究」根岸 由紀、細渕 富夫

しかし、幼児期はみな、多少なりとも親が疲弊するような特性をもっています。軽度の場合は、発達と共にその特性を隠すことができ、親は安心し、しかし子どもは内心とても辛い思いを抱え続けるケースも多いです。

なので、自閉スペクトラム症や発達障害の知識がないと、決定的なことがなければ、そこへ結びつけられないこともあります。

親世代の人や周りのほとんどの人は「そんなものよ」「うちもそうだった、大丈夫よ」と励ましてくれますし。実際、発達で問題がなくなる子もいますし。

経験が多いほど早期に気づける

定型発達児と自閉スペクトラム症児の違いについての気づきは、定型発達児との関りの経験や知識が多いほど明確になるとも報告されています。

乳児期の相談や保育、健診を行っている専門職(保育士、保健師、臨床心理士あるいは臨床発達心理士)各職種6名ずつ計18名に対し、定型発達児1名と自閉スペクトラム症児(知的障害なし)2名の生後4ヶ月の頃のホームビデオを見てもらい、違和感を感じるか、多くの項目に分けて回答してもらった研究結果です。

HFASDに違和感を持つ要因として、重回帰分析によると「臨床経験の有無」が最も影響していた。(中略)これは「知識としての障害児像(例えば「障害児は表情が乏しい」、「目が合いにくいのは発達に遅れがあるのではないか」など)」と対比させることで違和感の有無を検討していたと考えられる。

埼玉大学紀要 教育学部,66(2):401-413(2017)「知的障害のない自閉症スペクトラム障害児の初期発達に関する研究」根岸 由紀、細渕 富夫

そのため、第二子、第三子などの方が、保護者の経験上、第一子に比べて気づかれる可能性は高いです。

知的障害のある発達障害群Ⅰ(中略)、知的障害がないか軽微な発達障害児群Ⅱ(中略)。群Ⅰにおいても群Ⅱにおいても第1子よりも第3子のほうが早期から保護者はわが子の発達に何らかの違和感を覚えていた

埼玉大学紀要 教育学部、63(2):49-59(2014)「特別な支援を要する子どもを持つ保護者の気づきに関する研究」根岸由紀、葉石光一、細渕富夫

下記ページに、定型発達児と自閉症児の比較もまとめてありますので、是非ご参考になさってください。

気づいた後の親の不安な気持ち

残念ながら早期に気が付いても、親御さんの「不安な気持ち」は後回しになってしまいます。

その後、その子が何かしらの障害をもっていることが明確になったとしても、親の障害受容は簡単ではなく数年という時間がかかることも、多くの先行研究から明らかになっています。子どもの障害が分かることを「期待した子どもの死」と表現する研究もあります。参考:国立精神・神経センター精神保健研究所「親の障害の認識と受容に関する考察-受容の段階説と慢性的悲哀」中田洋二郎(1995年12月)早稲田心理学年報第27号

他児との違いや困難さを指摘された保護者は戸惑い、悲しみ、怒りの経過を経て、時間をかけて「受け留める」ことができるようになっていく。親の障害受容過程についての過去の研究においても、段階説、慢性的悲嘆説、その両方があることが指摘されている(中田、1995)。発達障害は「目に見えにくい障害」であるため、本人も周囲も理解が難しく、受容に時間がかかるといわれている。

埼玉大学紀要 教育学部、63(2):49-59(2014)「特別な支援を要する子どもを持つ保護者の気づきに関する研究」根岸由紀、葉石光一、細渕富夫

発達に不安になったばかり、または、明白にならない段階では、「大丈夫」「頑張ってしつけしなくては」という気持ちと交錯してさらに複雑な時期になります。私も経験しましたが、とてもつらい時期でした。

国としても自閉スペクトラム症の場合、早期の気づき(1歳)~診断(3歳頃)までに年単位とう長い期間が必要で親の精神的負担になることや、診断後にも障害受容に時間が掛かることは重要視しており、児童発達支援の要綱に家族への支援を含めています。

親の障害受容については、もう少し詳細な内容を後日アップしたいと思っています。

今できることは?

不安であれば、何かしらの療育や児童発達支援について調べてみてください。障害診断がなくても出来ることはたくさんありますし、療育や児童発達支援は定型発達児にとっても非常に有意義です。お子さんのみならず、親御さんの助けにもなります。