わが子の発達障害|早く気付いてあげられる人とは?早期発見の必要性

2021年10月29日

発達障害_早期発見の必要性

わが子が発達障害かどうかを早期に気が付いてあげることの必要性と、どんな人が早期に気が付けているのかを見ていきます。

早期の気づき

必要性

早期に気づいて適切に対応してあげることは、結果にかかわらず、その子ために非常に大切です。子どもの発育に非常に大切な自尊感情は、乳児期から発達しているからです。

長期間、繰り返し不適切な対応をされ続けてしまうと、二次障害につながりますし、自尊感情も低くなってしまいます。

発達障害をともなう子どもの場合、親がどれだけ愛情を持って接しても、子どもは親の言うことを聞き入れず危険なことやしてはいけないことを繰り返し、その結果、子どもと親の間には、親の𠮟責→子どもの癇癪→親の体罰→子どもの反抗→親の自信喪失、という子育ての悪循環が生じやすい(田中,2008)。また、親は我が子の行動に戸惑い、受け入れることができず、子育ての難しさを感じることが多く、良好な親子関係を持ちにくい傾向にあり、このような悪循環は親子とともに自己価値観や自尊心を失わせる結果となり、うつ症状や虐待、反社会的行動などの二次的障害を生じさせる要因になるということ(伊藤・石附・前岡,2009)がある。

広島大学大学院心理臨床研究センター紀要 第10巻 (2011)「発達障害児・者をもつ家族における支援の現状」中村 志津香 Pp.92-93

発達障害はその特性を理解し、適切な関わりをすることによって、二次障害を軽減し、セルフエスティームを高め、何より本人が自分自身とうまくかかわれるようになる。「早期に気づく」ということは早くから医療機関に行き、何らかの診断を受け療育につながるために必要なのではなく、早く気づいたことによって「育てにくさ」を抱えた子育てを理解した育児支援をするために必要なのである。

埼玉大学紀要 教育学部、63(2):49-59(2014)「特別な支援を要する子どもを持つ保護者の気づきに関する研究」根岸由紀ら

国としてもその重要性から、市区町村に1歳6ヶ月児健康診査の実施を義務付けていたり、療育の施設だけでなく保育園などでも児童発達支援を行うようにと定めています。

親も早期から「違和感」は感じている

ゆくゆく自閉症・自閉スペクトラム症と診断された子の多くの親は、かなり早い段階で違和感や育てにくさを抱いていると報告されています。参考:埼玉大学紀要 教育学部,66(2):401-413(2017)「知的障害のない自閉症スペクトラム障害児の初期発達に関する研究」根岸 由紀、細渕 富夫

しかし、幼児期はみな、多少なりとも親が疲弊するような特性をもっています。軽度の場合は、発達と共にその特性を隠すことができ、親は安心し、しかし子どもは内心とても辛い思いを抱え続けるケースも多いです。

なので、自閉スペクトラム症や発達障害の知識がないと、決定的なことがなければ、そこへ結びつけられないこともあります。

親世代の人や周りのほとんどの人は「そんなものよ」「うちもそうだった、大丈夫よ」と励ましてくれますし。実際、発達で問題がなくなる子もいます。

経験が多いほど早期に気づける

定型発達児と自閉スペクトラム症児の違いについての気づきは、定型発達児との関りの経験や知識が多いほど明確になるとも報告されています。

乳児期の相談や保育、健診を行っている専門職(保育士、保健師、臨床心理士あるいは臨床発達心理士)各職種6名ずつ計18名に対し、定型発達児1名と自閉スペクトラム症児(知的障害なし)2名の生後4ヶ月の頃のホームビデオを見てもらい、違和感を感じるか、多くの項目に分けて回答してもらった研究結果です。

HFASDに違和感を持つ要因として、重回帰分析によると「臨床経験の有無」が最も影響していた。(中略)これは「知識としての障害児像(例えば「障害児は表情が乏しい」、「目が合いにくいのは発達に遅れがあるのではないか」など)」と対比させることで違和感の有無を検討していたと考えられる。

根岸 由紀ら(2017)

そのため、第二子、第三子などの方が、保護者の経験上、第一子に比べて気づかれる可能性は高いです。

知的障害のある発達障害群Ⅰ(中略)、知的障害がないか軽微な発達障害児群Ⅱ(中略)。群Ⅰにおいても群Ⅱにおいても第1子よりも第3子のほうが早期から保護者はわが子の発達に何らかの違和感を覚えていた

根岸由紀ら(2014)

下記ページに、定型発達児と自閉症児の比較もまとめてありますので、是非ご参考になさってください。

気づいた後の親の不安な気持ち

残念ながら早期に気が付いても、親御さんの「不安な気持ち」は後回しになってしまいます。

その後、その子が何かしらの障害をもっていることが明確になったとしても、親の障害受容は難しく数年かかることが多くの先行研究から明らかになっています。子どもの障害が分かることを「期待した子の死」と表現するほど障害受容には時間が掛かります。

下記ページに詳しくまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。

発達に不安になったばかり、または、明白にならない段階では、「大丈夫」「頑張ってしつけしなくては」という気持ちと交錯してさらに複雑な時期になります。私も経験しましたが、とてもつらい時期でした。

国としても自閉スペクトラム症の場合、早期の気づき(1歳)~診断(3歳頃)までに長い期間が必要で親の精神的負担になることや、診断後にも障害受容に時間が掛かることは重要視しています。

そのため、国の推進する児童発達支援では「家族への支援」が含まれています。

今できることは?

不安であれば児童発達支援(=療育)について調べてみてください。

障害診断がなくても児童発達支援の対象ですし、施設も利用することができます。療育は定型発達児にとっても非常に有意義です。また、お子さんのみならず、親御さんの助けにもなります。

下記ページにいつくか参考になりそうな記事をまとめておきます。

さいごに

今回は、発達障害の早期発達に関することについてまとめてみました。

ただし、療育を早く開始したからその子の障害が軽くなったり治ったりするものではないので、今まで気が付けなかったと落ち込んだり焦らなくても大丈夫です。(詳しくはこちらのページにて)

心理士さんに「子どもの自尊感情は、減算されていくよりも加算されていくイメージの方が合っていると思う」と言われ少し救われた事もありました。

それよりも、発達障害に気が付いたり診断を受けた頃は、親の障害受容も途中で辛い時期です。ご自身の悲しい気持ちにもゆっくりと向き合う時間をとってあげて欲しいです。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!